歯周病治療 |
歯周病治療
歯の周りの構造
この絵は健康な歯と歯周組織の構造です。
この絵は健康な歯と歯周組織の構造です。
歯根の周囲には歯根膜があります。 歯根膜はいわゆる歯のクッションでかみ合わせの圧をやさしく包む役割があります。 歯周病になるとまずこの部分に炎症がおこります。
そして歯槽骨です。 歯槽骨は歯をしっかり支える役割があります。歯周病が進行すると歯槽骨が吸収(溶ける)して、歯がグラグラになります。
●歯肉炎と歯周病について
歯周病(歯槽膿漏)は大きく分けて、歯肉炎と歯周炎にわけられます。
歯科疾患実態調査によると
日本人の場合、歯肉炎は15歳から増え、20代前半ですでに60%のかたがかかっているといわれ、
歯周病は30歳ごろから増え、50才代でおおよそ80%の人がかかっているといわれるほど、 多くの方が悩んでいる歯の病気です。 だれもがかかっている病気だからといって軽視していると最後には取り返しのつかないことになってしまう怖い病気です。
歯周病は 「静かなる病気」と呼ばれるほど、自覚症状がほとんど感じられない病気で、気づいたときには、歯の土台(歯槽骨) がボロボロになり、重症になっているケースも少なくありません。 そうなってしまえばまともに食事すらできなくなってしまいます。
歯周病を予防するには、早期発見、早期治療がキーとなります。 かかりつけの歯科医院に少なくとも半年に一度受診されることをお勧めいたします。
●歯周病(歯槽膿漏) はこんなに怖い病気です
ここで歯槽膿漏の言葉の由来について述べてみたいと思います。
歯槽膿漏の言葉の由来は歯ぐきの中で歯の根っこを支えている歯槽骨のあたりから、 膿が漏れ出してくることから、一般的にはそう呼ばれるようになってきました。
現在、歯科医には辺緑性歯周炎または歯周病と呼ばれています。歯槽膿漏とはつまり歯ではなく歯のまわり歯ぐきの病気というわけです。
●歯周病の原因
歯周病の直接的な原因はプラークですが、その他さまざまな因子がかかわっているといわれています。プラークは虫歯や歯周病の原因となります。食べかす(歯くそ) のように思われがちですが、 そうではなくて虫歯菌や歯周病菌をはじめとするさまざまな微生物のかたまりで、プラーク1㎎のなかに1億個の微生物がいるといわれております。 歯周病はそのなかの歯周病菌がひきおこす病気なのです。歯石といわれるものはプラークが石灰化して硬くなったもので、 表面がざらざらしているのでそのうえからプラークがついてどんどん増加していきます。歯ブラシではとれませんので、 歯科医院で除去してもらう必要があります。その他の因子としては、
1、喫煙をされている方~タバコをすっている方は血流が悪くなるので、歯周病が進みやすく、 いったん炎症がおきてしまうとなおりづらく、 プラークもつきやすくなり、歯肉のの色も黒ずんできます。
2、糖尿病の方~身体の抵抗力が低下するため、歯周病も急速に悪化させるといわれています。
3、女性の思春期、妊娠、更年期~女性ホルモンの影響で歯肉に炎症をおこしやすいといわれています。
4、ストレス~ストレスにより歯軋りなどしたり、 身体の抵抗力が低下して炎症をおこしやすくなるといわれています。
5、口呼吸の方~お口での呼吸をされているかたは、お口の中が乾燥しやすくなり、 炎症をおこしやすくなるといわれています。
6、食生活~やわらかくてあまいものばかり食べているとプラークができやすくなり、 偏食をすると栄養摂取が不十分になり身体の抵抗力が低下します。
7、歯並びの悪い方~歯ブラシが十分いきとどかなくなって、プラークがつきやすくなります。
●歯周病の進行状態 と一般的処置
健康な歯周組織
この歯肉溝にプラークがつかないように適切なブラッシングが必要です。
健常な歯周ポケットは、0.5~2mmです。
処置
3~6カ月に一度、定期検診を行いしっかりとプラークコントロールしましょう。
歯肉炎
歯肉溝にプラークがたまり、歯肉に炎症が起きています。そのことにより歯周ポケットと呼ばれるものができました。この段階では、歯を支える歯槽骨は吸収していません。
処置
3カ月に一度ぐらい検診を行い、 ブラッシングにて改善をはかります。歯石の付着があるところはルートプレーニングを行う場合があります。
軽度歯周炎
これがいわゆる歯周炎です。歯周ポケットは、 4~5mmほどになり、ポケット内にプラークや歯石がたまり炎症がより強くなります。歯肉の色が赤みを帯びてきます。
歯を支える歯槽骨も吸収し始めます。
処置
麻酔をして、ルートプレーニングを行い、歯石を除去します。
中等度歯肉炎
炎症が進行して歯周ポケットが深くなります。歯槽骨の吸収も進行してきます。歯を指で押すと弱干ぐらぐらしてきます。
処置
麻酔をしてルートプレーニングを行い歯石を除去します。症状が重いところは歯周外科手術へ移行する場合もあります。
重度歯肉炎
歯のぐらぐらも著しくなり歯肉も全体的に真っ赤もしくは赤紫色になり出血も認められます。
処置
歯を保存できるようであれば歯周外科手術、再生療法を行います。残念ながら抜歯となる場合もあります。
歯周病の進行の様子。
軽度 中等度 重度
当院治療例
初診時 治療完了後
症例1
症例2
症例3